大阪市北区(梅田・中崎町・天六)のパーソナルトレーニングジムSuitable(スータブル)の朝山です☆
新元号が「令和」と発表され、平成の時代も残りわずかとなりましたね。
さて今日は、皆さんも一度は耳にしたことがある「ファンクショナルトレーニング」についてです。
ファンクショナルトレーニングと聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか?
TRXやバランスボールなどのツールを用いたトレーニングをイメージしている方も多いかもしれません。
最近ではウォーターバッグを使用したものなども流行っていますね!!
しかし言葉だけが先行してしまい、誤解が多いのも事実です。重要なのは、なにを持ってファンクショナルトレーニングと呼べるのか。ということを理解していないといけません。
そこで今回はファンクショナルトレーニングについて少し見直していきたいと思います。
ファンクショナルトレーニングとは?
結論から言ってしまうと、「機能的動作の獲得のためのトレーニング」がぴったりでしょうか。(意外とありきたり笑)
個人的には、機能的な動作の獲得という言葉をを少し崩して考えると、適正可動域で効率的で円滑な動作をコントロールできるというイメージを持っています。
加圧トレーニングや初動負荷トレーニングなどの〇〇トレーニングと呼ばれるものが数多く存在していますが、これらの多くは理論や方法を謳っているものが多いですね。
この枠組みで「ファンクショナルトレーニング」を考えてしまうと、ツールを用いた特異的エクササイズのことだと勘違いしてしまうかもしれません。
しかし、ファンクショナルトレーニングは理論や方法ではなく、概念を謳っています。ですから、このトレーニング種目はファンクショナルトレーニングですと断言するというよりも、ファンクショナルトレーニングの概念から考えるとこういった動きもできますよね。といった風に捉える方が明確かもしれません。

ファンクショナルトレーニングにはいくつかの原則が存在します。
(提唱されています。という表現の方が的確かもしれません。笑)
ファンクショナルトレーニングの5原則
1.重力の利用
抗重力
我々人間は、二足歩行ですよね。四足歩行と二足歩行の大きな違いは重力のかかり方です。
二足歩行の立位の場合、背骨の垂直方向に重力がかかります。動作をするときには必ずこの重力がかかり続けた状態で動かなければなりません。
ですから、動作時に重力という負荷に対抗できなければいけません。
「重力」機能的な動作を追求するためには欠かせない要素です。
2.分離と共同
joint by joint 理論
「joint by joint 理論」に代表されるように、人間の関節にはStability(安定)とMobility(可動)という役割が備わっています。
例えば、膝関節や腰椎はStability関節に分類されます。股関節や足首などはMobility関節に分類されます。ただし、Stabilityだからと言って過度に緊張していたり、Mobilityだからと言ってルーズではいけません。
必要なときに適正な可動域で動くようにコントロールできることが大切だと考えています。
3.キネティックチェーン
運動連鎖
筋肉同士は繋がっており、その連結がうまくいくことで、より効率的で円滑な動作が行うことができるというものです。似た意味で使われる言葉として「アナトミートレイン」というものがあります。どちらも筋連結についてのものですが、アナトミートレインは解剖学的、キネティックチェーンは運動学的といったところでしょうか。
キネティックチェーンの代表的なものとしては、POS・AOS・DL・LSなどが有名です。
これについては長くなりすぎるのでまた別の機会にm(_ _)m笑
4.三面運動
矢状面・前額面・水平面
人間の動作は前額面・矢状面・水平面から成り立っていると言われています。
動作というものをさらに細かく見ると、各関節もこの動作を中心に成り立っています。先ほどのjoint by joint理論にも共通してきますが、、、各関節には自由度が存在しており、この自由度の組み合わせにより動作が組み立てられていきます。(足首は自由度1、膝関節は自由度2、股関節は自由度3といった感じです。)
動作が三面から成り立っていることを考えると、機能的な身体を作るためには、この三面をしっかりと活用し、各面に対して負荷をかける必要性が見出されてきますね。
5.力の吸収と発揮
LoadingとUnloading
一言で言ってしまうと、「プライオメトリクス」についてです。
重力のかかる方向とは逆方向に力を発揮できることが機能的な身体作りには欠かせません。
SSC(ストレッチショートニングサイクル)を活用し、垂直ベクトルに対しての抵抗を増やす必要があります。
しかしSSCをしっかりと活用しようと思うと、力の吸収(Loading)が非常に大事になります。効率がよく適正なフォームを瞬時にとれることで安定的なLoadingが実現し、安全な力の発揮(Unloading)に繋がります。
まとめ
ファンクショナルトレーニングとしてトレーニングメニューを組み立てる際に、これらの原則を踏まえていることが前提となりますので、最低限この5原則については理解を深める必要がありますね。
ウォータバッグやTRXなどを使ったり、特異的な動作に負荷をかけること自体がファンクショナルトレーニングとして捉えられがちですが、個人的には、これらもファンクショナルトレーニングの概念に当てはまるものと考えることができると捉えた方がいいのではないかと感じています。